2011年5月9日

生食用の比内地鶏

テーマ:比内地鶏話

ユッケによる食中毒事件が問題となっております。

同じく、食肉を扱う立場として非常に気になる問題です

当店にも過去何度か、こんな問合せが飲食店の方から

いただいたことがありました

「比内地鶏の生食用のササミありますか?」

「刺し身で食べれる比内地鶏の砂肝ありますか?」

私は毎回こんなお答えをしました。

「ウチでは生食用は扱っておりません。

というか、生食用の鶏肉は基本的にないはずですよ。」

そう答えると大体こんな答えが返ってきます

「でも、あそこの○○という店で、出してますよ」

そうなんですよね。

比内地鶏に限らず、朝〆の新鮮な鶏などを扱う飲食店などでは、

鶏ササミのタタキや、砂肝刺し、ササミ刺しなどを提供していたりします。

レバー串もレアで出されたりしているのも珍しくありません。

私の答えはこう続きます

「生食用はないのですが、最終的に生で出す判断はお店の責任で、

されていると思います。」

「生食用がないということは、

肉が鮮度が悪いということではないんです」

大体理解していただけますが、

もしかしたらこの後に違うお店に電話して探されているかもしれません。

生食の鶏肉。

それは鮮度が良い悪いということ以前に、

鶏が持つカンピロバクターなどの食中毒菌が、

危険だからなのです。

いくら新鮮な鶏肉でも、捌く際に少しでも腸などに傷がついてしまい、

そこから菌が、肉に付着してしまえば、新鮮な肉でも関係ないのです。

また、まな板、包材などに菌が付着していれば、

肉が綺麗でも、感染してしまうのです。

生肉を食べるということは非常にリスキーなことでもあります。

鶏に菌があるというと、誤解を生むかもしれませんが、

これは鶏に限らず牛も豚も魚も貝も、あらゆる生物が持っているものです。

ですが、それは加熱殺菌という方法で、

安全に食べられているということなんです。

たしかに鮮度もよいレバー類や牛肉の生は美味しいですよね!

それは、私もそう思いますし、何度も食べています。

ただし、本当に気をつけなければ、

今回のように命にかかわる程の問題となってしまうことが、

今回の事故で改めて現実となった訳です。

今回のユッケによる食中毒問題。

考えると、ユッケはダメだけど、カルビの焼肉で中が半生なのはイイの?

ローストビーフはイイの?

などと次々と疑問が出てきそうな感じがします。

今回の問題は、その店だけの問題ではなく、

これからもっと大きな波紋が広がりそうな気がします。

食に関る仕事をしてる私達も、

他人事ではなく、色々と考えさせられる事故です。

被害に遭われた方々のご冥福をお祈りいたします。

比内地鶏ときりたんぽ鍋通販のお店 秋田味商


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