比内鶏と比内地鶏の話~比内地鶏マイスター工藤
比内地鶏専門店 秋田味商 の店長工藤です
比内鶏と比内地鶏
最近は「比内地鶏」と言う人も増えていますが、まだまだ「比内鶏」と言われることがよくあります
同じようで同じではない、この2つの鶏
今日は比内地鶏マイスター店長工藤が、様々な資料や情報をワタシなりに解釈し、わかりやすく?説明したいと思います!
あなたが秋田県人なら、これを知っていれば自信満々に「ドヤ顔」で県外の方に説明できる日がきっと来ることでしょう
さて、ご存知の方も多いと思いますが現在食用として流通し、口にしているのは「比内地鶏」です
地面を歩き回り150日以上もの日数をかけ育つ比内地鶏は骨格、内臓がしっかり成長し、適度な脂身と弾力ある肉が特徴の日本三大美味鶏と称されるほどの地鶏になります
肝心の「比内地鶏」と「比内鶏」の違いは?
これは血統のお話になってきます
血統というと専門的で面倒な話っぽく感じるので、簡単に簡単にイメージで説明すると・・・
【おじいさん(天然記念物)】
「比内鶏」
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【おとうさん×おかあさん】
「秋田比内鶏」×「ロードアイランドレッド」
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【子供】
「比内地鶏」
という家系図になるでしょうか
おじいさんにあたる、元々の「比内鶏」は古くから秋田県比内地方で飼われていた鶏とシャモを掛け合わせた鶏という説があります
その味はヤマドリに似て美味しいと言われ・・・と言われてもヤマドリを食べた人などあまりいないでしょうから、これはピンとこない笑
おそらくここで言いたいのは、天然の山間部に生息する鶏であるため、野趣溢れる肉質で美味である!ということでしょう。今風にいえばジビエですね!
話を戻します
その美味しさで、古くは年貢としても納められたという「比内鶏」。
しかしながら体も小さく飼育には適さない鶏だったようで、昭和48年から秋田県では選抜を重ね、より飼育に適した「比内鶏」から進歩した「秋田比内鶏」を作りあげてきた訳です。
(秋田県では今も更なる改良を求め研究は続けられています)
選抜を重ね?ってことですが・・・
例えば体格が良かったり、より健康な比内鶏を選び、それらの子供から更にまた良い鶏を合わせて・・・ということを行い、どんどん改良していったのだということなのでしょう
そこで出来たものを「秋田比内鶏」と呼び、これを父方としつつ母方に「ロードアイランドレッド」という鶏を掛け合わせることで、飼育のしやすさや食味、産卵率などを向上させているのが「比内地鶏」です
んー・・・ややこしくなってきましたか?笑
要は図の通りで、父「秋田比内鶏」×母「ロードアイランドレッド」の間に生まれてくるものが、我々が食べている「比内地鶏」です
なので、「比内鶏」と「比内地鶏」だと違う鶏なわけです
私が比内地鶏だとしたら父が秋田比内鶏
私が電話に出て父に間違われ、 「あー。違いますよ、俺息子っす。オヤジに変わりますねー」みたいな感じ?笑
さらに言うと「比内鶏は天然記念物だから~」という人は、おじいさんにあたる比内鶏のことを言ってるということでしょうか
簡単に説明してるつもりですが、わかりましたでしょうか?
ちなみにもう1つうんちくをいうと比内地鶏のお母さんロードアイランドレッドは明治時代にアメリカから来て日本に定着した鶏
ってことは比内地鶏って日本とアメリカのハーフ!
どうりで顔を見ると目鼻立ちが整った美人なワケだ
比内鶏と比内地鶏のお話、いかがでしたでしょうか